6 与えられたものでやっていく
「彼氏いるの?」にどう答えるか? (4.6.1)
司法試験の例ばかり挙げていると、またちょっと気が滅入ってきそうなので、「合コン話」の延長戦をしたいと思います。
私は、大学の大教室での授業の際は、90分ぶっ続けで授業すると学生の集中力も落ちてくるので、途中で「ちょっとひと休み」の時間を入れるようにしていました。
その間に話すことはいろいろですが、弁護士実務の話であることもあれば、出席カードに記入された学生からの質問に対する回答だったり、あるいは前述したような合コン話だったりします。
自分の経験談が多いため「モテる方法」や「合コン相手獲得法」など、どうしても男子学生に対する話が多くなってしまいます。すると、女子学生のほうから「何か女子のモテる方法も話してほしい」などという要望が出たりします。そういう時に話すのが、この話でした。
この話自体、そもそも最初にどこで仕入れたのかか、遠い昔の記憶でもはや忘れてしまっているのですが、実際に、何人かこの方法で男子を手玉にとっていた女性を知っているので、その効果に偽りではないはずです。
合コンをしていると必ず遭遇するのが、男子が女子に対して
「きみ、彼氏いるの?」
などと尋ねる場面です。
私に言わせれば、このような質問はそもそも愚問で、合コンに参加している時点で、彼氏がいようといまいとそんなことは関係なく、彼氏を作りたくて来ているのだという前提で振る舞えばよいと思うのですが、どういうわけか男子はこういう間抜けな質問をしがちです。そうなると、
このような質問を受けた場合、女子としてはどのように答えるべきでしょうか?
もちろん、社会人としての通常の答え方は「正直に答える」というものでしょう。いないならば「いません」、いるならば「います」と答えるのが、素直な回答です。
しかし、事は「合コン」の場です。男女の「駆け引き」の場であり、ある意味「戦場」です。それ以外の対応が反倫理的であるとして許されない場ではありません。
そこで、政策的にどのような回答がよいかを考えてみましょう。
まず
「いません」
という答えです。
もちろん、尋ねた男子は、その答えを期待しているでしょう。もし彼氏がいないならちょっとアタックしてみようかな、と考えて質問していると予想されます。しかし、このように答えた場合、軽く見られないか、という不安があります。「なんだ、やっぱり彼氏いないんだ」というように見られないかということです。
では、逆に
「います」
と答えるのはどうでしょうか。
しかし、これはダメです。完全にマイナスです。質問した彼は、退いていってしまうでしょう。「なんだ、彼氏いるんだ。チッ!」という感じです。男子は、臆病なのです。彼氏がいると聞かされただけで、こそこそと尻尾を巻いてしまう人がほとんどです。もしかするとその反動で「彼氏がいるんなら、何でこんなところに来るんだよ!」などとキレられてしまうかもしれません。
このように「いません」と答えるのもよくない、「います」と答えるのもよくありません。
しかしそうなると、男子から「彼氏いるの?」と質問された女子としては、一体どう答えるのがよいのでしょうか?
答えがあります。それは、
「いるんだけどねぇ……最近、うまくいってなくて」
という答えです。
このように答えた場合は、その男子は、尻尾を巻いて逃げ去るということはありません。「うまくいっていない」ということで、付け入るチャンスがあるのではないかと思わせるからです。
しかも、彼氏が「いない」のではなく、「いる」という情報は、その女子のランクを三割くらいアップさせます。昔から「人妻」とか「他人の彼女」というものには、それだけで、男子をそそらせる「何か」があるのです。
しかも、このように答えた場合、男子のほうからは、次の質問は、多くの場合、
「へえ……、どうしてうまくいってないの?」
というものになりがちです。
そうなったらチャンスです。彼の興味は、完全にあなたのほうに向いています。あとは、あることないこと語ればいいのです。作り話でまったく結構。彼がどんなふうに自分に冷たいかを切々と語ります。
「ひどいなぁ、そんな扱いするなんて……」
とその男子はきっと言うでしょう。
その発言は、言外に
「僕ならそんはふうには君を扱わないのに」
という意味を含んでいます。
同情と愛情は紙一重です。
ここまで来れば、その男子が
「そんな男と別れて、オレと付き合わないか」
と言い出すのは、もう目の前です。
恋愛のスパイス (4.6.2)
この女性向け「合コン必勝法」は、人の心理というものを大変よく押さえて、なかなかよく出来ていると思います。
1つは
「人は、手の届きそうなものが欲しくなる」
という心理です。
どうも人は、到底自分には手に入りそうもない、というものは、真剣に欲しいとは思わないようにできているようです。これに対して、自分の手の届く範囲内に入ってくると、にわかに「欲しい」という気持ちが湧いてくるのです。先程の「必勝法」では、「最近、うまくいってなくて」という部分で、現在の彼氏との不安定な状態をそれとなく知らせ、手に入りそうだと思わせているところが巧みです。
もう1つは
「他人が持っているものはよく見える」
という心理です。
おそらく、他人が持っているということは、その他人が高い評価をしているということであり、その評価に引き摺られて自分のそれに対する評価も高くなるのでしょう。ですから「人妻」も「他人の彼女」も、他人が選んでいるということから、よく見えるわけです。この「必勝法」はその効果も巧みに利用しています。
このように、私が思う限り、この「必勝法」は、なかなか理に適っており、お勧めなのですが、この方法を紹介した後の学生の反応は、賛否両論です。
男子学生の側からは、当然「こんなオンナはイヤだ」という意見も続出しますし、女子学生の間からも「こんな騙すような方法はイヤだ」という意見も見られます。しかし、その一方で「この方法、早速試してみます!」などという積極的な意見も見られます。
私の意見は、しょせん合コンでの会話ではないか、というものです。
もちろん、合コンだからと言ってどんなウソを言ってもいいというものではありません。学歴詐称などすれば、あとあと真剣に付き合うようになった時にでも、破局の原因になるかもしれません。しかし、ここに挙げたような「彼氏とうまくいってなくってね話」などは、あとあとそれが作り話であることがバレたところで大過のないものです。ですから、この程度のウソは「恋愛のスパイス」としてセーフだ、というのが私の意見です。
男心を手玉にとる (4.6.3)
第3章では、人は感情の奴隷だから、自分も他人のように扱って自分を管理する、という話をしました。
この認識は、恋愛においてもかなり有用です。もちろん、この場合、管理の対象とするのは「自分」ではなくて「相手」であり、特に有用なのは、女子が「彼氏」を操る場合です。
私自身、男だからよく解るのですが、男子は、感情(とりわけ欲望)の奴隷である傾向が特に顕著であるように思います。ですから、女子が彼氏と、長くうまくやっていこうと考えたら、その感情や欲望をいかにコントロールするか、ということが重要なポイントなるように思います。
例えば、世間でもよく言われる話ですが、男が「釣った魚にエサをやらない」というのは、ある意味真実を言い当てています。彼女にするまではあの手この手で迫ってきたクセに、彼女になった途端にサービスが悪くなる、というアレです。
別に、嫌いになったわけではありません。特に、いい加減な扱いをしているつもりもありません。
ただ、単純にテンションが下がるのです。安心してしまったとでも言いましょうか。そういうことです。
ですから、逆に女性の立場からすれば、彼氏を長い間自分に夢中にさせ、つなぎ止めておきたいのならば、重要なことは、何よりも
「安心させないこと」
です。
では、安心させないためには、どうすればよいか?
決して
「完全に自分のモノになった」
と、相手に思わせないことです。
例えば、恋愛関係に入れば、遅かれ早かれ、肉体関係には至るでしょう。肉体関係をもつことは、男子が「このオンナを自分のモノにした」と感じる一つのタイミングです。そして、ここで男子にそう思わせたら、男子は安心してしまいます。
そこで、ここがポイントなのですが、肉体関係の最中はどうあれ、それが終わった後、特に、翌朝には「昨夜の出来事が夢だったのではないか」と男子に思わせるほどに、日常に戻ることが大切です。できれば、男子が起きる前に身支度など済ませておくくらいの勢いです。
逆に最悪なのは、男子よりも遅くに起き出し、「あれ? あたしのパンツどこだっけ?」などと尋ねるような対応です。そうでなくても安心し始めているのに、その弛緩しきった態度に接すれば、男子のテンションは急激に落下します。
また、付き合い始めた後も何かしら彼に踏み込ませない領域を作っておく、ということも、男子を安心させない作戦としては、かなり有効です。
例えば「着替えるところは絶対に見せない」とか「お風呂には絶対に一緒に入らない」など。他人行儀のようですが、他人行儀であるからこそ、そこに距離感が生まれ、不安が生まれるのです。女子のほうが安心してしまったら、その感覚は、必ず男子にも感染します。
男子を不安にさせる方法としては、競争相手をつくることが最も有効な手段ですが、これは、付き合い始めた後には、あまりお勧めはできません。付き合い始める前であれば、本当は存在しなくても、対抗馬の存在を匂わせることで、彼の告白を後押しするなどということはできますが、付き合い始めた後になると、不和の原因になってしまうかもしれません。
しかし、いかなる方法をとるにしても、ポイントは「完全に安心させないこと」であり、「このコは自分の元から離れて行ってしまうかもしれない」という不安要素をいつまでも残すようにすることです。
このように書くと「彼が可哀想」と言い出す女子がいるかもしれません。優しいですね。しかし、心配は要りません。これこそが、恋愛における彼に対するサービスそのものだからです。考えてみてください。安心し切った、弛緩した状態の人生など、何も楽しくはありませんよ。ただただ退屈なだけです。適度な不安感があり、緊張感があるからこそ、人生は楽しいのです。ですから、「安心感」と「不安感」を適度に取り混ぜて配置することこそ、彼に対する至上のサービスです。
あなたが完全に彼のモノになり、彼がそのことを認識するということは「マジックの種明かし」をしてしまうようなものです。確かに、その瞬間、彼は、驚き、感心し、大いに喜ぶことでしょう。しかし、その次の瞬間には、満足し、安堵して、そのマジックに対する興味は失われてしまします。そして、興味は別の方へと向かいます。ある意味、その瞬間に「恋」は終わるのです。
子どもがマジックの種を知りたがるからと言って、そのマジックの種明かしをしてしまうことは、その子にとって本当に幸せなことなのでしょうか? 種明かしをすることは、とても簡単なことです。そして、確かに、その子はそれを望んでいます。しかし、それをすることは、せっかくのワクワクした気持ちをその子から奪うことにもなるわけです。
考えてみてください。あなたが完全に彼のモノになったと彼に思わせることは、彼に、マジックの種明かしをするのと同じであり、せっかくの彼の楽しみを奪うことを意味します。その瞬間から、彼はあなたに対する「恋愛的な興味」を急速に失います。それは、彼にとっても、あなたにとっても不幸なことではありませんか?
逆に、彼は、種明かしがされないかぎり、ずっとそのマジックの不思議に惹かれ続けます。それは、彼にとっても、あなたにとっても、幸せなことだとは思いませんか?
与えられたものでやっていくしかない (4.6.4)
「恋愛マスター」とも呼ぶべき人は、男女問わず、どこにでもいるものですが、彼らは、必ずしも美男美女というわけでもありません。それよりはむしろ、そこそこの容姿でありながら、その与えられた「素材」を最大限に有効活用し、狙った獲物の「弱点」を突くことで、所期の目的を達成しています。
その様子は、まさに、彼を知り、己を知り、そしてその差を補う必殺技によって彼を仕留める、ということの実践そのものであり、このサイトで推奨している「臨機応変の戦略」の手本です。
私の大学時代に、やはりそのような女の子がいました。後輩の女の子だったのですが、その子は、決して美人ではなく、まあ、そこそこという顔立ちで、外見からはそれほどモテそうな感じではありませんでした。しかし実は、大変にモテており、彼氏を切らしたことがない、という状態でした。当時、その事実を知った私は、その意外さに正直驚きました。「なんであの子が?」と思えるようなコだったからです。
しかし、その事実を聞いたうえで、その原因を考えてみると、確かに思い当たるところがありました。
まず、彼女は、とても気さくなコで、自分から男子たちの話の中にスッと入っていくようなところがありました。しかも、そのコがそれほど美人というわけでもないので、男子たちも、緊張することなくそれを受け入れている様子でした。
しかしその一方で、彼女は、よく男子の輪の中にいる女子にありがちな「男っぽい」タイプではありませんでした。どこが男っぽくないかというと、単純に服装でした。
当時、短いスカートを穿くことを恥ずかしがって敬遠する女の子が多かった中、彼女は、いつも超ミニスカートでした。そして、襟ぐりが大きく開いて胸の谷間が見えるようなTシャツを着ていることも少なくありませんでした。
このように書くと、彼女は、顔はともかく、スタイルは抜群だったのではないか、と誤解されそうですが、そうではありません。私には、彼女のスタイルがよかったという記憶がありません。いつもニョッキリと脚を出していましたが、取り立てて形のよい脚だったという記憶もありません。また、胸も、決して大きい方ではなかった、という記憶です。
しかしそうであっても、私としては、あの脚や胸の谷間の露出は、彼女がモテることに大きく貢献したのだろう、と思うのです。
女性は、おしゃれをするとき、どうも同性の眼を意識してする傾向があるように思います。しかし、多くの男性が賛同するでしょうが、女性が評価する服装と男性が評価する女性の服装との間には、大きな開きがあります。しかも、女性は、よほどスタイルに自信のある人でない限り、他の同性の眼を意識して、自分に自信のない身体の部分を隠そうとする傾向があります。例えば、小さい胸や太い脚を隠そうとします。
しかし、これは、少なくとも「男をゲットする」という観点からすると、大きな誤りです。
この点について、2009年に話題になった村上春樹さんの『1Q84』という小説の中に、興味深い下りがありました。
この小説の主人公の一人である「青豆」という女性は、特殊な技術によって人を殺すことを仕事にしていますが、彼女は、ターゲットである男性の注意をそらす目的で、わざとブラウスのいちばん上のボタンをはずして仕事に臨みます。
次の引用部分は、彼女が、殺人を行う直前の準備のシーンです。
あとはただ決められたことを実行するだけだ。揺らぎのない信念と無慈悲さを持ち、まっすぐにことにあたらなければならない。青豆はそれから、ブラウスのいちばん上のボタンをはずし、身をかがめたときに胸の谷間が見えやすいようにする。もう少し胸が大きいと効果的なのにな、と彼女は残念に思う。
彼女は、そして無事殺人を終え、現場を離れます。その際、また、彼女は胸のことを考えます。
背筋を伸ばし、前方を見つめ、足早に歩いた。しかし誰かの注意をひくほど速くは歩かない。彼女はプロだった。それもほとんど完璧に近いプロだ。もしもう少し胸が大きければ、文句なく完璧なプロになれたかもしれない、と青豆は残念に思う。顔をもう一度軽くしかめる。でもしかたない。与えられたものでやっていくしかない。
ここで、語られている重要なことは4つです。
第1は、胸の谷間は、男性の注意をひく効果があるということ
第2は、その効果は、胸が大きければ効果的であるということ
第3は、しかし、胸が小さくても用が足りるほどの効果はあるということ
第4は、人は与えられたものでやっていくしかないということ
です。
つまり、胸の谷間やミニスカートは、確実に男性の注意をひく効果があります。もちろん、胸が大きかったり、脚の形がよかったりすれば、その効果は絶大でしょうが、そうでなくても用に足りるほどの効果はあります。だったら、それを利用しない手はありません。他の同性の眼を気にして隠していたら、その効果は、まったく得られません。同性にどう見られようとも、使えば、それなりの効果は発揮するのです。
持っているのに使わないのは「宝の持ち腐れ」です。この点は、宮本武蔵が「二本とも使うべきだ」と解いているのと相通じるところです。
そして、何より重要なのは、人間、与えられたものでやっていくしかない、という「割り切り」あるいは「潔さ」とでもいうべきものです。
前述した私の大学時代の後輩は、決して、美女ではなく、抜群のプロポーションをもっていたわけでもありませんでした。彼女と同じ程度のルックスの女性は、彼女の周りに何人もいました。しかし彼女が一番モテモテだったのです。その理由は何か。彼女が、敵(男性)の弱点を見抜き、それに向けて、自分の持っている武器を最大限に有効活用したからにほかなりません。
多くの男子は、ものぐさで、しかも臆病です。高嶺の花にアタックできる勇気のない人が多数派です。だから、気さくに自分から男子の輪に入ってきてくれる女子は、男子にとっては好都合なのです。しかも、決して巨乳や美脚でなくても、胸の谷間やミニスカートは、男子に対しては、必ずそれなりの効果を発揮するものです。
そして、何より、彼女には、自分に与えられたものでやっていくしかない、という「潔さ」があったでしょう。
自分に与えられたものでやっていっくしかない、と腹をくくり、そのうえで工夫する。
彼女の勝因は、突き詰めれば、そのひと言に尽きるでしょう。
村上春樹の『1Q84』が読んでみたくなった方へ……
(これ、マジ、面白いッス!)
手品をおぼえてみたくなった方へ……
デニムのミニスカートが欲しくなった方へ……
デニムの超ミニスカートが欲しくなった方へ……
デニムの超・超ミニスカートが欲しくなった方へ……
極浅デニムミニ☆/K[【P08Apr16】コスプレ・ランジェリー・フェイクレザー・タイト・キャミ・タンク・フレア・Aライン・ローライズ・見せブラ・ボディコン |
関連ページ
- 第4.1 秘密兵器と必殺技
- どうしても埋まらない実力差を「秘密兵器」と「必殺技」でどう補うかを考えます
- 第4.2 宮本武蔵の『五輪書』に学ぶ
- 剣豪・宮本武蔵の『五輪書』を参考にして、自分に合った秘密兵器の開発について考えます。
- 第4.3 弱点が「強さ」を生む
- 自分の弱点から、自分に合った戦法を開発し、かえってこれを強さとすることについて考えます
- 第4.4 仮説・実践・評価・再考
- 考案した闘い方を修正して完成させるプロセスについて考えます
- 第4.5 よい教師に着いて行く
- 他人の知識や経験を利用する方法について考えます